いろいろな山登り

はじめの一歩

 近年のアウトドアブームのなか、山登りに興味を持つ人も増えたのではないでしょうか。

 『なぜ山に登るのか』という有名な(?)フレーズがありますが、答えは数えきれないほどあると思います。山登りは自由なんです。

山登りの楽しみ方

 荷物を背負って、何時間も上り坂を歩き、時にはよじ登り、雨に打たれ、風に吹かれ、太陽に照り付けられ・・・『何が楽しくて山に登るんだ』と言われます。

 ・・・・・登った人にしか分かりません(笑)

 それでは分かってもらえないので、、、いくつか例を挙げてみます。

山頂からの景色

 山に登ったら、当たり前のように山頂まで行きますよね。山頂からの景色を見たいんです!

 登った人にしか見れない景色がそこにはあります。

 3000m級の山頂から大自然を見渡したり、流れゆく雲を眺めたり、標高数百メートルの山頂から平野を見渡し、『戦国の殿様は、この景色をどんな思いで見ていたのだろう』と思いふけったり(?)写真では感じられない五感に沁みるものがあふれています。

写真撮影

 電車の写真を撮るのが好きな人、車やバイク、飛行機の写真を撮るのが好きな人がいるように、山の写真を撮るのが好きな人もいます。

 被写体は、遠目から眺める山そのもの、花、紅葉、下界の眺め、面白い形をした岩等、いろいろあります。

 たまに、昔撮った山写真を振り返って、1回の登山で2度3度楽しむこともできます。

冒険心を満たす

 人里から離れ、人込みから逃れ、道なき道を突き進む。これは冒険だ(笑)

 この先どんな道、どんな景色が待っているかワクワクしながら進む、その行為自体に満たされる。

自然浴

 歩きながら風を感じ、太陽の光を感じ、緑の木々の中でマイナスイオンを浴びる。登山道では歩きスマホも難しいから、スマホもシャットアウト。人工物もほとんど無い。日常の喧騒から離れ、自然に包まれている感サイコー。

制覇欲を満たす

 いつからか、ダムを巡って、ダムカードを集める人が増えましたね。カードはありませんが、同じように全国の山頂を順次登頂していきます。山も100名山、200名山、300名山とあり、コツコツ登頂して全制覇を楽しむ人がいます。

山小屋・下山後のビール

 この世で最もおいしいビールの飲み方だと個人的に思います(笑) 山小屋によっては、グラスで生ビールを飲めるところもあるんです。

 ただ、飲みすぎには注意してください。標高の高いところでアルコールを飲むと、通常よりも酔いが回ります。また、登山中は水分不足になりがちで、さらに利尿作用のあるアルコールを飲むと、脱水症状になる恐れもあります。

山ごはん

 公園でお弁当を食べると、家で食べるよりおいしく感じることがあると思いますが、山の上では普通のオニギリでさえそれを上回るおいしさを感じるはずです。

 また、お湯を沸かしてカップラーメンを食べたり、パスタを茹でたり、自分で担ぎ上げた分で作る自炊飯も魅力たっぷりです。

天然のプラネタリウム

 天気が良い夜は、満点の星空が見れます。今まで見たことのない数の星・★・☆彡・・・多すぎて天の川なのか何なのか分からなくなります。

 見すぎて夜更かしするのは注意してください。翌日のためにも、寝て体力を回復させましょう。

登山の目的

 登山は楽しむ為だけではなく、別の目的で登る場合もあります。

健康維持

 高齢化が進んでいる日本。元気な高齢者が増えています!健康寿命を延ばすためにも運動は必須で、高齢者のみならず若年層にとっても、登山は健康維持に役に立つ運動になります。

 アスファルトの平坦な道をウォーキングするのに比べ、登山道は段差や凸凹した岩場、滑りやすい砂利道等、バリエーションに富んでいます。年齢を重ねていくと、バランス感覚や体幹が急激に衰えていくそうですので、無理のない範囲でこうした不整地を歩くのはバランス感覚や体幹を鍛えることにつながり、「何も無いところでつまずく」等といった運動能力の低下を防ぐことに役立ちます。

ダイエット

 ダイエット目的でランニングする人、ジムに通う人、様々ですが、登山もダイエットに超効果的な運動になります。

 ランニングしようと思っても、せいぜい1時間くらいでしょうか。ランニングは、仕事終わりにでもサクッとできる気軽さはありますが、時間がある時には山に登った方が良いでしょう。ランニングに比べて体への負荷は軽いですが、標高数百メートルの山でも、登って降りてくるまでは3~4時間かかり、長時間の有酸素運動ができます。また、平らではない登山道を歩けば、いろいろな筋肉を使い、時には全身を使い、体幹を鍛えることができます。

巡礼

 日本各地に霊山があり、山岳信仰の対象となっています。巡礼のために登山することもあります。

現実逃避

 日常の景色から離れてリフレッシュ。

 遠い山頂でも、一歩づつ歩いていけばいつかは辿り着く。大きな山に包まれて、自分の悩みがちっぽけに感じたり。

 逆に、ひたすら歩いている最中に頭の中で悩み事がグルグルすることもありますが。。。

登山の形態

 一言に『登山』といっても、様々な登り方があるんです。

一般登山

 最も多くの人が登る形態で、ある程度整備された登山道を登る方法です。初心者は基本的にここから始まります。登山靴や登山ウエア等、基本装備があれば登れます。

バリエーション登山

 整備された登山道が無いようなところを登る方法です。時にはロープを使う場面もあり、読図技術も必要となります。上級者でないと遭難する可能性が高くなります。

 地図上では登山道があるように見えても、実際は登山道が無いところもあります。

トレイルランニング(略:トレラン)

 荷物を最小限・超軽量にして、登山道を歩くのではなく、走って駆け抜ける。普通では1泊しないと行けないところも、日帰りが可能になります。

 ただし、自分の体力や登山道を熟知していないと下山前に日が暮れてしまったり、飲み物を切らせてしまったり、アクシデントやトラブルが発生した時には、最小限にした荷物で対応しなければならず、相応の登山スキルが要求されます。

 また、一般登山者の多いルートでは、他の登山者とのスピード差による接触事故や、落石を発生させた際に他の登山者に当たってしまうおそれがでてきます。

沢登り

 川を下流から上流に向けて遡上する登り方です。川沿いだけでなく、川の中を歩くこともあるので、基本的には濡れても良い装備で登ります。

 整備された登山道が無く、バリエーション登山に似たところがあります。

 渓流釣りをしながら登る人もいます。

山菜採り

 山の恵み、山菜を採るために「登る」というより、「山に入る」と表現したほうが適切かもしれません。

 一般的に登山するような山以外の里山に入るため、鉄塔整備や林業用に付けられた道、獣道等はありますが、自分で現在地を把握しながら歩く必要があります。樹林帯の中で山菜を摘みながら歩いていると、方向感覚が分からなくなって下山できなくなることがあります。また、山の所有者が山菜取りを禁止している場合、トラブルになる可能性もあります。

クライミング

 岩壁をよじ登る方法です。

 必要な技術、知識を習得した人でないと、登れないだけでなく、滑落、転落の危険性が高いです。

雪山

 冬季に雪上を登山する方法です。

 アイゼン、ピッケル、スノーシュー等、雪山特有の装備品が必要になります。登山道も雪に埋もれる場合があるので、読図技術や、無雪期に下見をしておく必要があります。

山スキー・バックカントリー

 雪山登山の一種で、スキーやスノーボードの板を履いたり背負ったりして登り、滑り降りる方法です。雪山登山の技術に加え、特に雪崩に関する知識や地形の見極め等の習熟が必要です。

まとめ

 以上、山を登る理由や方法についていくつか例を挙げてきましたが、自分に合った楽しみ方が見つかればそれで良いですし、登っていくうちに楽しみ方も変わってくるかもしれません。

  • 山の楽しみ方は自由
  • 登山者10人いれば10通りの目的がある
  • 登り方は一つじゃない

 山を登り始めれば、きっと新しい世界が見えるはずです。

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